エンディングドレス_岩手_アムールドクチュール

母への想いを

40代 娘

一人娘の私は、母と相性が合わず、何かにつけては衝突する事が多く、何十年も連絡を取らずに過ごしていました。

しかし、70代になった母が病に臥せていると知り故郷へ帰ると、昔の勝気な母の面影はなく、腕には点滴の跡が痛々しくやせ細り、どす黒い顔をした女性が目の前に佇んでいました。

その姿を観た時、母の一生が走馬灯のように過り、決して幸せではなかったであろう母の人生を、せめて最期だけでも美しく飾ってあげようと思い、エンディングドレスを購入し、見送ることができました。

私にとって精いっぱいの気持ちを伝えたつもりです。気のせいか、エンディングドレスを着た母は微笑んでいたように見えました。